hey Product Blog

こだわりを持ったお商売を支えるプラットフォーム「STORES」の開発チームによる技術ブログです。

M&A と内製プロダクト、どちらを選択する?

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10月26日(火)に開催されたプロダクトマネージャーカンファレンス 2021(主催:一般社団法人プロダクトマネージャーカンファレンス実行委員会。以下、pmconf 2021)に、取締役 CPO 塚原文奈とVP of Product 倉岡寛が登壇したので、その様子をお届けします。

 

▼ 資料はこちら ▼


なぜ STORES レジ は内製したのか

塚原:塚原と申します。ヘイの取締役CPOをさせていただいております。プロダクト全体を見ながら、新規事業やプラットフォームを担当しています。

 

倉岡:倉岡と申します。新卒の時からプロダクトマネジャーとしてキャリアを歩んできておりまして、8年前にクービック株式会社を立ち上げた。去年、ヘイに売却するかたちで、ヘイにジョインしております。今は、VP of Productとして、全プロダクトを担当しています。


今日は前半を塚原から、どういう基準で新規事業参入する際に、新しいプロダクトを自社で作るのか、それともM&Aするのかの観点で話します。私は、どういう背景でそもそもクービック株式会社を売却したのかを後半に話をさせていただければなと思ってます。

 

塚原:まず、どのような意思決定をして新規参入をするのかというお話をします。

お話の内容として、経営エリアにかかわってる人、PMとして新規事業を担当していたり、考えている人、プロダクトをこれから多角化させようと考えてる人に、向いているかと思います。

 

まず、ヘイのミッションなんですけが、「Just for Fun」を掲げていて、自分のこだわりや好き、情熱を突き詰めて、お商売を続けられるようにサポートしていく会社です。具体的にプロダクトとして目指しているのは、お商売のデジタル化をまるっとサポートしていくことです。その中で私たちの強み、磨き込んでいく部分を、2つのポイント絞っています。ひとつがフロントオフィス業務、もうひとつがOMOです。

 

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フロントオフィス業務は、対比で言うと、例えばfreeeさんやマネーフォワードさんみたいな会計業務のバックオフィスを担当しているようなところと相対する感じです。フロントオフィスは、消費者さんと事業者さんを結ぶ窓口のイメージです。

 

ヘイは4つのサービスを提供しているんですが、まず簡単にネットショップ作成サービスの STORES 、お店のキャッシュレスをサポートする STORES 決済 、オンライン予約システムの STORES 予約、STORES レジ 。STORES 予約 がM&Aでジョインしていて、STORES レジ が内製プロダクトとして作ったものになります。

 

まず STORES レジ は、なぜ内製を選択したのかをお話しします。

私たちは、オンライン、オンラインをつなげていくこと、つまりOMOを非常に大事にしています。今現在、OMOってどういう状況なのかというと、オンライン、オフライン自体は、そもそも分断されています。かつ、オフライン、お店に関しては、デジタル化自体がまだまだ未発展です。一部の人たちしか、まだできていないというような現状があることがわかりました。

 

一方で、レジを供給している会社さんはたくさんいます。新興企業も、昔からいる企業もあります。新興のところだと、例えばスマレジさんやAirレジさん。歴史のある会社さんだと、東芝テックさんなどがレジを供給していて、プレーヤーはたくさんいました。で、いろいろと考えたのですが、オーナーさんの未来どうなるんだろうという視点で私たちは想像しました。

 

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そもそもオーナーさんは、お店だけで運営する、ネットショップだけで運営するというよりは、お店とネットショップをどちらも運営する、マルチチャネル販売がこれから先、もっともっと一般化するんじゃないだろうかと思いました。例えば焼肉屋さんが、コロナ禍とかで、お店をやりながらお肉をネットで販売したり、Uber Eatsでお弁当を届けたりしていますよね。

 

あとは、EC化率は現在約8%なんですが、これが20%ぐらいになったときは、今のオペレーションがそのままになるだろうか。生産性を上げるために、何かが起こるんじゃないかと思いました。

 

私たちはネットショップ開設サービスをやっているので、オーナーさんを見ていると、既にマルチチャネルで販売している方々、ネットショップとお店を持ってる方々が在庫管理で明確に困っているという現状も知っていました。

 

そうして考えていった結果、ネットショップとお店の在庫管理を最も簡単に管理ができるという、POSレジっていう視点であれば、レジ業界でも一点突破で参入できるのではないかと考えました。

 

具体的に作ったもの、2つです。


ひとつは、お店とネットショップ、どちらも管理できるPOSシステムです。いつ、どこで、誰が、何を、何個買ったかを格納するシステムです。

もうひとつが、POSレジアプリ。これはオフラインのデータ化に役立つものになります。この2つを作って参入しました。

 

私たちはネットショップの顧客の解像度が高かったので、これならいけるという参入アングルが見つけられました。かつ、それはリソースを分散させたとしても、今後の未来のための投資として価値があると判断できるようになりました。

 

結果、自分たちで作ったほうが、いいプロダクト、いい体験が提供できるのだと思ったので、自分たちで作っていくっていう判断をしたっていう結果になります。

 

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なぜ STORES 予約 はM&Aだったのか

塚原:次に STORES予約 は、なぜM&Aを選択したのかを話します。

 

私たちは、そもそも小売りに特化していません。「Just for Fun」をミッションに掲げているので、例えばサービス業をやっているヨガの先生や英会話スクールの先生もターゲットになります。

 

そこで、予約システムはどうだろうと。見てみると、プレーヤーが結構いました。業界特化型もありますし、万人に向けて提供してるシステムもありました。ですが、ネットショップのカートシステムやレジよりも、プレーヤーは少なかったんです。かつ、市場もこれからだと判断しました。

 

予約システムと聞いたときに、どんなことができるか、ぱっと思い浮かぶものがないんですよね。なので、これから先、もっと大きくなっていくだろうな、まだプレーヤーが少ないんだなということがわかりました。

 

同じように、オーナーさんの未来を考えてみました。サービス業の方々が物販することは当たり前だよなと。例えばヨガの先生はヨガのレッスンを売りながら、ヨガマットを売るみたいな、そういうことですね。これからももっと増えるだろうなと思いました。

 

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一方で物販をやっている方も、サービス提供をして付加価値をつけるというのも増えてきています。例えば、コーヒー屋さんが、コーヒー豆をネットショップで売りながら、コーヒーのおいしい淹れ方を、サービスとして販売することがあって、これも今後増えるものだと。

 

あとは、予約という形態はサービス業のためだけではなくて、それこそ小売りだったり、ほかのお商売でも取り入れられる概念があることがわかりました。そこで、予約システムをSTORES プラットフォームのひとつにしたいと考えました。予約市場の盛り上がりがこれからで、既存のプレーヤーが少ないので、これから先、どんどん成長していくフェーズだろうなとも思いました。

 

ただ、私たち、解像度がめちゃくちゃ低いので、そこから参入アングルを見つけて、既存プレーヤーと戦っていくのは、ちょっと厳しい、余力がないなと思ったので、M&Aの選択肢をとりました。

 

サービス業や予約システムは、「お店のデジタル化をまるっと」という、私たちの目指したい方向性に合致していると思いました。ただ、これ以上、新規投資へのリソースを割くのが難しかった。だけどここに投資しないと、既存プレーヤーと全く戦えなくなる可能性がありました。

 

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なので、結果的に同じ未来を見据えているクービックをM&Aすることで、参入を果たそうと判断しました。今までのところが、私たちがなぜ STORES レジ を内製して、STORES 予約はM&Aをしたのかの事例なんですが、ではなぜクービックは一緒になろうと思ったのかを、倉岡からお話します。

 

なぜ、クービック(STORES 予約)は、一緒になろうと思ったのか?

倉岡:まず簡単に STORES 予約 の説明を紹介させていただきます。「人々の生活から、「めんどくさい」をなくす」というミッションを掲げて、予約システムを提供しておりました。

 

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美容院、リラクゼーション、フィットネスなど幅広い業種で導入実績があります。例えばオーナーさんの先のお客さんは、自分のお気に入りのサービスを会員カードとしてストックして、そこから予約できたり、通常のオンライン決済だけではなくて、決済とか月謝とか、そういうスクール系で支払われる形態を、全部キャッシュレス、ペーパーレスにすることで、より業務を効率化することができます。

 

次に、なぜ会社を売却したのかに関して説明させていただきます。Googleで働いていたときの同僚であった、ヘイの社長である佐藤裕介氏と、事業の相談や壁打ちをしていたんです。その中でクービックをヘイとしてM&Aしたいという打診があって、まじかと。

 

塚原:(笑)

 

倉岡:結構驚いたんですね。われわれ自身、まだまだ事業としてのポテンシャルもあるし、自分たちだけで事業を推進していけると思っていたので、会社を売却することは正直考えていなかったんですが、結局、売却する判断をしました。

 

会社を売却するっていうのは、起業家として考えると、むちゃくちゃ重要な意思決定、判断になります。お客さんであったり、事業そのものだったり、株主だったり、自分自身だったりと、いろんな要素がありますが、今回は特にプロダクトという観点で説明できればなと思ってます。

 

クービックを提供してる中で、オーナーさんからの要望として、ここにあるようなことが頻繁に要望として挙がっていました。

 

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例えば、予約情報をレジに取り込んで一元管理したい、フィットネス業界の方が、プロテインをネットショップで売りたいとか、予約以外のニーズがたくさんありました。オーナーさん視点で考えてみると、予約管理は、オーナーさんの業務の重要なポイントではあるんですが、業務の一部でしかないんですね。そういう課題感があったので、他社のサービスと連携するのか、自分たちで開発するのかを、もともと検討していました。

 

ただその中で、佐藤から言われたのが、ヘイも全く同じ状況だということです。ネットショップを立ち上げるとか、キャッシュレスを導入するというのは、オーナーさんにとって重要な判断になるんですが、それが通常業務として回り始めたときに、常にそのことを考えているかというとそんなことはなくて。たくさん業務がある中での一部でしかない。ヘイとしては、お商売のデジタル化をまるっと解決したい、それを目指しているという話を聞きました。

 

全く同じこと考えていると確認できたのもあったので、であれば、いち早く、オーナーさんにその価値を提供していくうえで、一緒になったほうがいいよねと最終的には判断しました。

 

塚原:じゃあ、実際に一緒になってみて、ぶっちゃけどう?みたいなところも聞きたいな思うんですけど、ちょうど1年ぐらい経ちますよね。どうですか?

 

倉岡:よかったです。

 

塚原:(笑)

 

倉岡:これは言わされてるわけでは全然なくて(笑)

よくある話なんですが、よりリソースのある会社に入って、お金の面でも、人材という面でも、ステージがいきなり上がったところはあります。そこは本当にサポートをしていただいたのは、よかったなと思ってます。

 

もう一つ、私が個人的に、すごくよかったなって思っているのは、サービスの名前をクービックから STORES 予約 に変えられたことですね。すごくうれしい。なぜかというと、STORES って、いい名前だと思うんですよね。

 

われわれのサービスをご利用いただくオーナーさん向けに、予約システムだけじゃなくて、ネットショップ、キャッシュレス決済、レジを提供しているんですけが、ある意味オーナーさんのことをそのまま表すプロダクト名って、すばらしいなと思っていて。地味なのかもしれないんですけど、ブランド統合という観点だけではなく、プロダクトにとってもよかったんじゃないのかなと思ってます。

 

塚原さんはどうですか?

 

塚原:文化が違うので、面白いんですよね。

クービックのチームが一緒になってよかったと思っているのが、SaaSの考え方で組織を作って、きちんと運営されているんですよ。私たち、SaaSっぽいような感じもするが、組織体系も含めて、動かし方も含めて、全然違ったので、新しい価値観ややり方を学ばせてもらう機会があって、すごい勉強になって心強いなと思っています。

 

倉岡:ありがとうございます。

 

塚原:最後に新規参入を決めたあと、参入の選択肢としてどうかというところですが、まず競合がいる中で参入アングルを見つけられそうか。それは、自分たちが理解しているお客さんであればあるほど、早く見つけられる可能性があるので、知っている方がベターではあります。

 

しかもそれは、今の開発リソースを薄くしてまで参入すべきかというのも考えていただくといいんじゃないかと思います。その考え方次第で、もしかしたらゼロから作るだけじゃなくて、M&Aという選択肢も考えてみるのがいいんじゃないかと思っています。

 

ヘイでは、基本的には自分たちでゼロから作る or M&Aみたいな、別の選択肢も考えながら事業を作っていくことができますので、ヘイでプロダクトオーナーやプロダクトマネジャーをやりたいですっていう方は、ぜひお声がけください。お待ちしております!