STORES Product Blog

こだわりを持ったお商売を支える「STORES」のテクノロジー部門のメンバーによるブログです。

SRE のミッションを決めた話

はじめに

STORES で EC の SRE チームを担当している秋元と申します。

今回は、弊社の SRE チームのミッションを作成したときの話を書こうと思います。

先日 SRE チームのミッションを作成したんですが、決めるにあたりチーム全員のミッションについての理解度が深めたいと考えたため、一人が作成したものをみんなでレビューする形式ではなく、チーム全員で一から話して考える方法で決めました。
チーム全員で話して考える方法だと、全員のミッションについての理解度が深められるというメリットがある一方で、議論がまとまりづらいというデメリットがあると思います。
このようなデメリットを回避するために工夫した点などを記載したいと思います。

これから SRE チームの立ち上げや、ミッションを考えてチーム力を高めたいと考えている方の参考になればと思います。

ミッション

まず、どのようなミッションにしたのかを記載しようと思います。

話し合いの結果、ミッションは下記となりました。

ユーザーにたくさんの価値を素早く提供できるようにしながら、事業の成長を阻害する要因を取り除く

チームで話した結果、「ユーザーへの価値提供を増やすこと」と「信頼性の担保」を共存させる、というイメージで全員が一致しました。
他社と比較しても特別な点はそれほどないと思うので、ミッション自体についてあまりここでは深く触れないことにします。

ミッションを決めるまでのプロセス

チーム全員で考えることにした理由

まず、そもそもチーム全員で一から話して考える方法をとった理由を記載したいと思います。

ミッションは、決めることがゴールではなく、それをもとにチームとして何をどういう優先順位で進めていくかが考えられるようになることが重要になってくると思います。 そのため、チーム全員がミッションを十分に理解していることも重要と考え、チーム全員で考えることにしました。

工夫した点

最初にも記載しましたが、全員で一から話して考える場合、議論がまとまりづらいというデメリットがあると思います。

そもそも、議論がまとまりづらい理由として下記などがあげられると思います。

  • ミッションとしてイメージするものがバラバラ
  • ミッションを考えた経験があまりないので、どう考えればいいかわからない

いきなりチームのミッションは?と聞かれると、可用性やセキュリティなどの具体的な部分に関するものを挙げる人もいれば、事業のミッションくらい抽象度の高いものを挙げる人もいると思います。さらには、スタンス的なものを挙げる人もいるかと思います。
どれも間違いではないと思いますが、これらの中からどれにするか話し合ってまとめるのは非常に難しいと思います。

そこで、全員でミッションを考えるにあたり、事前に下記を共有しました。

  1. 他社の SRE のミッション
  2. チームのミッションとは何なのか?

まず、他社のミッションを共有することで、これから作成しようとしているもののイメージがつきやすくなると考えました。

それに加え、チームのミッションとは何なのかということを共有しました。 これにより、どういうことを考えていく必要があるのかを考えやすくなるのではないかと考えました。
「ミッション」=「実現したいこと・状態」と考えると、チームのミッションは究極的には事業として掲げているミッションに繋がるのかと思います。 チームのミッションとは何なのかを共有することで、事業のミッションとチームのミッションとの関係を捉えやすくなるのではないかと思いました。

ここで、「チームのミッションとは何なのか?」ですが、参考までに今回は「チームのミッション」=「そのチームの守備範囲について実現したい状態」という説明をしました。
事業として掲げているミッションを実現するために、様々なチームがそれぞれの役割を担っているのかと思います。 チームの担っている役割という意味で「守備範囲」というのが個人的にはしっくりくるかなと思っています。

リーダーが決めてしまう方がいいケースもありそう

今回、チームのミッションを全員で考える方法を採用しましたが、どういったアプローチで作成するのがいいかはチームメンバーの力や経験によるところが大きいと思います。 ある程度の力と経験を持っているメンバーが揃っているのであれば、今回のような全員で考える方法がいいように思いますが、そうでない場合はリーダーが決めてしまう方がいいケースもあるかと思います。

今後の課題

ミッションの改善

今回、他社のミッションをベースに作成したため、作成したミッションも他社でもあてはまりそうなものになったかと思います。 しかし、組織にどういうメンバーがいるのか?、開発組織全体の雰囲気、他にどういったチームがいるのか?などによってミッションも少しずつ変わってくるのかと思います。
ですので、今回作成したのが終わりではなく、定期的に見直しを行い、より弊社の状況に適したものにしていけたらと考えています。

ミッションの浸透

ミッションは、作成しただけでは不十分で、作成した後にそれを浸透させていくことが重要になると思います。 ですので、どうやって浸透させていくかが今後の課題になると考えています。

例えば、

  • タスクの優先度を考えるときにミッションをベースに議論してみる
  • 振り返る際に、達成したことをミッションをもとに捉え直してみる

などの取り組みを継続的に行っていく必要があると考えています。